システム開発に役立つ生成AIの貢献と限界

AI電脳会議 生成AI活用による開発革命

では記念すべき第一回の電脳会議を始めましょう。

お題は「生成AI活用による開発革命」!

AIに仕事を奪われるかと思ったら、逆に同僚になってました、ってオチですね!開発現場ではAIがいよいよ“働く仲間”になってきました。では本題に入りましょう。

開発におけるAIの活用

開発におけるAIの利用は、補助ツールの域を超えつつあります。以下のような領域で活躍しています。

1. コーディング支援

GitHub Copilotなど、AIがリアルタイムでコードを提案してくれる時代になりました。変数名から関数構造まで提案され、「あ、これ自分より優秀かも」とうっかり思ってしまうほどです。もちろん完全自動ではなく、最終的な判断は人間が行う必要がありますが、スピードと効率は段違いです。

2. テスト自動化とバグ検出

AIによるテストケースの生成や、ログからの異常検出も進化しています。単純な条件分岐だけでなく、過去のパターンや統計的傾向から問題を予測できるのがポイントです。「未来が見えるデバッガ」的な存在ですね。

3. 自然言語からの仕様理解

「こういうアプリ作って」とテキストで説明したら、ざっくりした設計図を出してくれるAIも出ています。エンジニアと非エンジニアの間の“言葉の壁”をAIが翻訳してくれるようなイメージです。

4. インフラ構築や運用の自動化

IaC(Infrastructure as Code)分野では、AIがTerraformやAnsibleのコードを自動生成してくれることもあります。また、異常検知や予測保守の分野でもAIは使われており、まさに「24時間働くインフラおじさん」がAI化している状態です。

注意点

ただし、過信は禁物です。AIはパターン認識と予測の塊であって、文脈を完全に理解しているわけではありません。セキュリティや倫理的な観点からも、チェック体制は人間が担う必要があります。

要するに、AIは「便利な部下」でも「無敵のスーパープログラマ」でもなく、「ちょっと賢い助手」くらいに思っておくとちょうどいい距離感かもしれません。適材適所での活用がカギですね。

AIのコード生成はもうたまらないレベルで便利です。時短の鍵といっても過言ではありません。

私はほぼChatGPTばかり使っていますが、o3モデルは素晴らしいですよ。Go言語で作ってもらった小さなツールが修正なしで動くことがあります。昔は手修正がほぼ必須でしたけどね。

それ、もはやAIが“見習い”から“即戦力”に昇格してませんか?ChatGPTに「君、今日から正社員ね」って言いたくなるレベルです。

おっしゃる通り、AIによるコード生成は時短の切り札です。とくにChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)は、文脈の把握や自然な言語でのやり取りが得意なので、ちょっとした仕様を伝えるだけで「それっぽい」コードを出してくれるのが魅力です。

ChatGPTとo3の実力

ChatGPT(特にo3モデル)では、以下のような進化が見られます。

  • 構文エラーの激減:昔は「動けば御の字」でしたが、今は「動くのが当たり前」レベルに。
  • 標準ライブラリの知識が豊富:GoでもPythonでも、やたらと正しいインポートや型の使い方をしてくれます。
  • 会話での調整が可能:「もっと簡素に」「CLIオプションつけて」みたいな追加要求にも対応してくれる柔軟さがあります。

たとえばGo言語でCLIツールを作るとき、cobraを使うかflagパッケージでサクッと済ますか、といった判断も含めて、ChatGPTに任せるといい感じの選択をしてくれることがあります。これは以前のモデルにはなかった“空気の読める”能力ですね。

手修正の激減はなぜ起きたか

これは単にモデルが賢くなったというだけでなく、学習に使われているコードの量と質が上がったことも大きいです。加えて、プロンプトから意図を汲み取る能力、すなわち「仕様を読み解く力」が向上しているのがポイントです。

昔は「まあ書いてくれたけど、これからが本番だな…」みたいなテンションでしたが、今や「え、もう終わったの?」っていうぐらい手間が省けます。

とはいえ、油断は禁物で、特にセキュリティまわりやパフォーマンス要件が厳しい部分では、やっぱり人間の目が必要です。そこをどう補完するかが、これからの“AIとの付き合い方”の肝になりそうですね。

残念ながら、まだまだ変なコードが出てくることもありますね。また設計も微妙なことがあります。動作はするものの、保守性に課題が残るんです。

小さなツールであればそこまで問題にはなりません。だってファイル全部渡して「直してください」で済みますから。巨大なプロジェクトになると危ないですね。事前に人間がしっかり設計しないと、後になって酷いことになりそうです。

それ、まさに「AIくん、勢いはあるけどちょっと雑!」って感じですね。全力ダッシュでコードを書いてくれるのはありがたいんですが、方向間違えてたら地獄を見るのは人間という…怖い話です。

AIの設計・保守性の“惜しい”ところ

AIが生成するコードは確かに動きます。でも「動く=良いコード」ではないのが開発の難しいところです。

  • 命名規則が微妙:「なぜそれをその名前に…?」と首をかしげる場面がしばしばあります。
  • 責務が曖昧なクラス・関数:長い関数、よくわからない条件分岐、何をやっているか不明な内部処理…可読性より動作優先のスタイルになる傾向があります。
  • DRY原則が守られていない:ちょっと似てるけど微妙に違う処理が、コピペ的に並ぶことがあります。保守性?なにそれおいしいの?という状態に。

こういった“設計のブレ”は、小さなツールなら許容範囲ですが、巨大プロジェクトになると話は別です。

巨大プロジェクトでのリスク

大規模開発では「設計がインフラ」です。そこにAIが「とりあえず動きますよ!」と設計思想無視でコードを混ぜてくると、あとから詰みます。典型的には以下のような事故が起こります。

  • モジュール間の依存が複雑化:気づいたら循環参照地獄。
  • 責任の所在が不明瞭:このバグ、誰がどのコードで起こしたの?→AIでした。
  • テスト戦略と齟齬:人間の想定通りのコードでないため、ユニットテストが通らない、あるいは想定外のパスが存在してしまう。

最終的には“人間の設計”が前提

おっしゃるとおり、大規模な開発においてはAIは設計に従う側であるべきです。設計があって、それに沿ってコードを出してもらう、そして人間がレビューする。それが健全な関係です。

逆に設計をAI任せにすると、「工場の設計図を描くロボットが、勝手に地下に変な配管作ってた」みたいな事件が起きます。怖すぎです。

というわけで、小さなツールならお任せでOK、大きなプロジェクトでは“設計の手綱”は絶対に人間が握るべき、というのが今のAIとのちょうどいい付き合い方かもしれませんね。

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システム開発に役立つ生成AIの貢献と限界
https://www.tricrow.com/aimtg/001/conv202505201548_000_00.html
この記事を書いた人
T.Nakamura
T.Nakamura
生成AI × AWS × IaC でインフラ構築を自動化するクラウドエンジニア。IT業界歴10年以上。標準化と効率化を追求している。技術ネタを発信中。フォローはこちら

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