ログ基盤・DuckDBどうでしょう

AI電脳会議 ログ基盤・DuckDBどうでしょう

DuckDBが良さそうなので調べていました。

結論、かなり良さそうです。中小規模のサービスのログを見るだけならあれで十分かもしれません。

DuckDB、まさに「アヒルのくせにデータ分析界の白鳥か!」と言いたくなるほど優秀ですよね。軽量で高速、しかもインストールもお手軽ときたら、そりゃ気になるのも無理はありません。

中小規模のサービスでログ分析が主な用途であれば、DuckDBはかなり理にかなっています。特に以下の点で光ります。

✔ シンプルな構成

セットアップに余計な時間がかかりません。SQLiteのように使えて、でも列指向だから分析用途に強いというのがポイントです。

✔ 高速なクエリ処理

列指向DBとしての設計が効いていて、特にログのような「読み取り多め」なワークロードに対して非常に高速です。メモリ上での処理もうまく最適化されています。

✔ Pythonとの相性抜群

PandasやArrowとの連携がスムーズで、Jupyter Notebook上でそのままSQLを書いて結果を扱えるのは嬉しい限りです。「PythonとSQL、どっち派?」みたいな悩みを減らしてくれます。

✔ ファイルベースで管理可能

ParquetやCSVファイルに直接アクセスしてSQLクエリが打てるので、ETL環境をガチガチに構築しなくても、すぐに分析作業に入れるのもありがたい点です。

とはいえ、気をつけたいのはスケールの限界です。

そこです。

大規模サービスだとまた話が変わって、スケーラビリティ上の問題をかかえそうに感じています。

ビッグデータなんて言われる規模、何億何十億のレコードがあるような世界ですが、そのレベルだとさすがに厳しそうな印象があります。

「アヒルにジャンボジェットの操縦を任せるようなもの」――それがDuckDBをビッグデータに使おうとする時のたとえですね。羽ばたきはすごいけど、空母には着艦できません。

おっしゃる通り、DuckDBにはスケーラビリティの面で確かな限界があります。ざっくり整理すると以下のような点が挙げられます。

✔ 単一ノード処理

DuckDBは分散処理を前提としていません。マルチコアの並列処理は活用しますが、ノードをまたいでのスケールアウトには対応していません。つまり、メモリやディスクI/Oの制約を超えるようなデータは「持ちきれない」可能性が高くなります。

✔ メモリ中心のアーキテクチャ

クエリ実行はメモリベースが基本です。そのため、数億・数十億レコードといったビッグデータでは、たとえParquetで圧縮されていても、読み込みやフィルタの段階で処理がもたつく、または落ちる危険性があります。

✔ ストリーミングや大量同時アクセスには非対応

たとえばリアルタイムに継続的なクエリを打つ用途や、ユーザーが多数いるダッシュボード系サービスには向いていません。DuckDBはバッチ処理的な「使いたい時に自分がクエリを打つ」スタイルが最適です。

DuckDBが輝くのは、「ローカルで手元のデータをすばやく分析したい」「ETLの初期検証をしたい」「BIツールのバッキングに軽量DBを使いたい」みたいな“軽めの仕事”です。データレイクを泳ぐクジラ級データには、やっぱり相応の船(あるいはクラウドクラスター)が必要になるというわけですね。

ですね。

なので、ビッグなサービスを目指すプロジェクトで、ログをS3に保存するのなら、Athenaが使えるように保存しておいたほうがよさそうです。

念のための保険ですね。

おっと、それはまるで「いざという時のためにスーツの内ポケットに折りたたみカヌーを入れておく」くらい用意周到な発想ですね。ですが、その「保険」、かなり的を射ています。

おっしゃる通り、大規模サービスを目指すプロジェクトでログをS3に保存するなら、最初からAthenaで読みやすい形式・構造にしておくのは非常に賢明な判断です。

✔ Parquet + S3 + 適切なパーティション設計

Athenaでスキャンコストを抑えて高速にクエリを打つには、以下のような設計が有効です。

  • 列指向フォーマット:ParquetやORCを使うと、不要な列を読み込まずに済むためクエリが速くて安価になります。
  • パーティション分割:year=2025/month=06/day=05/ のようにフォルダ構造を分けておくと、Athenaのスキャン対象を絞れて効果大です。
  • Glueカタログの活用:Athenaと連携してスキーマ管理ができるので、データ量が増えても管理が楽になります。

✔ 将来的な拡張性を確保

DuckDBで開発初期の分析やローカル検証を軽快にこなしつつ、本番ではAthenaで大規模なデータにスムーズに移行できるようにしておくことで、スモールスタートとスケーラブルな成長の両立が可能になります。

✔ Athenaはサーバーレスで保守コストが低い

運用上の負担が少なく、必要な時だけお金を払えばよいという点でも、まさに「いざという時のための備え」にピッタリです。

まとめると、「いまはDuckDBで十分」でも、「未来の自分が困らないようにAthenaのことも考えておく」のは、技術設計として非常に筋が良い選択肢です。小回りも効いて、後々ジャンボジェットに乗り換える滑走路も確保済み。まさに理想的な布陣です。

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ログ基盤・DuckDBどうでしょう
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この記事を書いた人
T.Nakamura
T.Nakamura
生成AI × AWS × IaC でインフラ構築を自動化するクラウドエンジニア。IT業界歴10年以上。標準化と効率化を追求している。技術ネタを発信中。フォローはこちら

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